「2025国際フォーラム:ノーベル経済学賞受賞者マイロン・ショールズ氏の先見的視座―不確実性、サステナビリティ、人工知能」開催

2025年03月12日

2025年3月12日、当会は台北国際会議センターにて「2025国際フォーラム:ノーベル経済学賞受賞者マイロン・ショールズ氏の先見的視座―不確実性、サステナビリティ、人工知能」を開催しました。このフォーラムは、台湾証券取引所、台湾集中保管結算所、台湾先物取引所、証券店頭売買センター、台湾証券投資信託暨顧問商業同業公会、台新金融控股股份有限公司、国泰金融控股股份有限公司の協力により実施されました。(金融控股股份有限公司:金融持株会社)

このフォーラムでは、1997年ノーベル経済学賞受賞者であるマイロン・ショールズ博士が基調講演を行いました。博士は冒頭、イノベーションとは、より個別化され柔軟な解決策をより迅速に見いだすことであると述べ、人工知能(AI)技術の発明をその一例として挙げました。AIはビッグデータの計算モデルを通じて、短時間で膨大な情報を収集し、意思決定の参考にすることが可能だが、AIは決して万能ではなく、変化し続けるリスクや不確実性に直面する中で、組織運営の効率向上には寄与するものの、異常事象や例外ケースへの対応や最終的な判断は、人間の評価と意思決定に委ねられるべきだと指摘しました。

ショールズ博士は、不確実性を切り口として、イノベーションおよび経済発展におけるその重要性を論じました。不確実性は課題であると同時に、AIをはじめとする革新技術の創出を促す触媒でもあるとし、急速に変化する世界において、AIは不確実性に対処するための重要なツールとして多様な分野で活用され、組織ガバナンスにおける管理コストや信頼の障壁を効果的に低減していると述べました。

AIの課題と可能性について、博士は、AIシステムはビッグデータによって情報処理効率が高められる一方、境界事例や特殊な例外への対応には人間の指導が不可欠だと強調しました。データの収集・処理は無限ではなく、AI計算の範囲を管理するための技術や規範を人間が構築することで、合理的な意思決定が可能になると述べました。さらに、精密医療やスマート農業などの分野においても、AIの応用が一層拡大するだろうと展望しました。

サステナビリティに関しては、テールリスク(Tail Risk)の重要性に言及しました。従来、リスクの平均値や正規分布に注目しがちだが、実際に重視するべきことは、発生確率は低いものの影響が極めて大きい極端事象だとして、気候変動による極端な気候が環境に急激または不可逆的な被害をもたらす可能性を例に挙げました。さらに、デジタルツイン(Digital Twins)やAIシミュレーションといった革新技術により、物理的制約に伴うコストを低減し、管理システムの柔軟性が高められると述べました。また、カーボン取引市場の潜在力にも期待を示し、排出権取引が企業のグリーン転換を促進するとともに、世界的なインフラ整備を後押しすると指摘しました。

総合討論では、スタンダードチャータード銀行・大中華圏および北アジアのウェルスマネジメント・個人金融担当である李芸氏(シニアアドバイザー)が司会進行役を務め、台湾大学管理学院副院長兼EMBA執行長の陳家麟教授、アンパクト・コンサルティング(安擘諮詢有限公司)サステナブルビジネス部門の林瑩慧共同経営者、台新金控のチーフエコノミストである李鎮宇博士とともに、AI技術の応用展望、サステナビリティの重要性、2025年の経済見通しなどについてショールズ博士と意見交換を行い、企業および政府の政策決定に資する啓示を提供しました。

フォーラムには、産官学界から200名を超える関係者が参加し、リスク管理と資本市場運営の関連性を多角的に分析するとともに、AI技術とサステナビリティの潮流を融合した新たな視点を来場者に提供しました。

 

 

 

 

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